睡眠時無呼吸症候群
外 来
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に10秒以上の呼吸停止(無呼吸)が7時間の睡眠中に30回以上、または1時間平均で5回以上繰り返される病気です。
寝起きの全身倦怠感、昼間の眠気、熟睡感がない、集中力の低下といった自覚症状があり、放置すると高血圧、虚血性心疾患、脳卒中の原因になると考えられています。現在、日本人には1~2%の頻度で睡眠時無呼吸症候群が見られ、中年以降の男性に多い傾向です。
睡眠時無呼吸症候群の症状
1.昼間の眠気
2.疲労感や集中力の低下
3.起床時の頭痛や頭重感、爽快感の欠如
4.睡眠時の寝相の悪さ、頻回の覚醒
5.高血圧、虚血性心疾患、不整脈、心不全、
6.脳卒中、多血症
睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群には中枢性、閉塞性、混合性の3つのタイプがあります。80%が閉塞性無呼吸症候群であり、空気の通り道のいずれかが閉塞されてしまい空気の出入りができなくなることが原因です。閉塞の原因としては肥満、扁桃肥大、舌根沈下、鼻閉(鼻中隔彎曲症、肥厚性鼻炎等)等が挙げられます。欧米人では肥満が原因であることがほとんどですが、日本人の場合は顎が小さく、痩せていても睡眠時無呼吸症候群になりやすいという特徴があります。
睡眠時無呼吸症候群の診断
自覚症状の確認
まずは自覚症状の有無の確認をして頂きます。寝起きの全身倦怠感、日中の眠気等といった症状がない場合には睡眠時無呼吸症候群の可能性は低いと考えられます。また、睡眠時無呼吸症候群の方はほぼ100%イビキをかいているため、イビキがない場合も睡眠時無呼吸の可能性は低いと考えられます。まずは、検査前にご家族の方に睡眠中に10秒以上持続する無呼吸があるかチェックして頂くことをお勧めします。
簡易検査
普段と同じようにご自宅で寝ている間にできる検査です。手の指や鼻の下にセンサーをつけ、いびきや呼吸の状態から睡眠時無呼吸症候群の可能性を調べます。検査をご希望の方はご相談ください。
終夜睡眠ポリグラフ検査
簡易検査で睡眠時無呼吸症候群が疑われた方が、睡眠と呼吸の「質」の状態を調べるために専門の医療機関に入院して行う検査です。
当クリニックではこの検査は行っておりませんので、専門病院をご紹介させて頂きます。
睡眠時無呼吸症候群の治療
閉塞性無呼吸症候群の治療はCPAP治療、歯科装具、手術に分けられます。
CPAP治療
内科的治療とはCPAPという機械を装着して寝て頂きます。睡眠中に鼻マスクを装着し、空気が一定圧で送り込まれ、睡眠中にのどが塞がってしまうのを防ぎます。重症の睡眠時無呼吸症候群の方は保険適応となっておりますが、CPAPの機械はレンタルであり、定期的に必ず受診して頂きます。当院ではCPAPの導入、管理を行っています。
歯科装具
歯科装具は装着することで下顎を前方に突き出し、咽頭腔を広げるという治療で歯科にて作成して頂きます。
手術
扁桃肥大などにより明らかにのどが狭い方は口蓋扁桃摘出術、口蓋咽頭形成術の適応となります。
また、鼻中隔彎曲症、肥厚性鼻炎等により鼻閉症状がある方もその後のCPAP導入に向けて手術をお勧めする場合あります。