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滲出性中耳炎

手 術

滲出性中耳炎とは

中耳(鼓膜の奥にある空間)に液体がたまり聞こえが悪くなる病気です。原因としては、中耳とのど・鼻をつなぐ管(耳管:じかん)の働きが悪くなって中耳にたまる液体を排出したり、中耳へ空気を送り込んだりできない状態(中耳の換気不全)になっていると考えられています。小さなお子さんでは耳管の機能が未発達なために、鼻かぜが原因で滲出性中耳炎を引き起こすことがしばしばあります。

 

滲出性中耳炎では、痛みはありませんが中耳に水が溜まっているために聞こえが悪い状態になります。内服治療で改善しない場合には、鼓膜を数ミリ切開して中耳にたまっている液体を排出させます。鼓膜を一度切開しても通常はふさがります。その時に再び液体がたまってしまったり、滲出性中耳炎の状態が長期間持続している場合は、鼓膜を切開した上で換気チューブを挿入します。鼓膜切開術と鼓膜チューブ挿入術のいずれも小さなお子さんでも外来で当日にできますが、状況に応じて全身麻酔で対応させて頂きます。

朝霞台駅前みなみ耳鼻咽喉科 滲出性中耳炎

鼓膜切開術

中耳に水がたまった状態が長く続くと現在の聞こえが悪いだけでなく将来的に耳の骨の発育が悪くなり難聴を後遺症として残す可能性があります。

薬を飲んでも治らない場合、鼓膜を2~3mm程度切開して中耳にたまった水を抜きます。

手術は局所麻酔(麻酔を付けたガーゼを鼓膜に当てるか、麻酔液を耳の中に入れて麻酔をします)下に行いますが、小児などで処置が困難な場合は全身麻酔下に行います。

注意事項

家庭では、お風呂で洗髪する際はできるだけ耳の中に水が入らないようにして、耳掃除は綿棒であまり奥まで入れないようにしてください。切開部が安定するまで1週間程度、プールは控えて下さい。(どうしても入る際は耳栓をして下さい。)

治療に伴う危険性

1.術後出血

鼓膜切開部からの少量の出血がありますが、ほとんどの場合自然止血します。

 

2.痛み

鼓膜切開部の痛みがありますが多くは1日ほどで消失します。鎮痛剤が必要となることはまれです。

 

3.創部感染

手術した部分に細菌などが感染して治癒が遅れることがあります(これを未然に防ぐため抗生物質を予防的に投与します)。

 

4.鼓膜穿孔残存の可能性

鼓膜切開後に穿孔(穴)は自然閉鎖しますが3~4%の方は穿孔が残り場合によっては成長を待って鼓膜穿孔を閉鎖する手術が必要になります。

 

5.滲出性中耳炎の再発

鼓膜切開をしても切開した部分が閉鎖して中耳に再度水がたまってきてしまう場合、鼓膜を切開した上で切開部がふさがらないように換気チューブを挿入します。換気チューブを挿入することで機能の下がっている耳管の代わりに中耳にたまった水を排出し、また空気を送ることで中耳に水が再びたまって難聴を起こすのを予防します。

鼓膜チューブ挿入術

中耳に水がたまった状態が長く続くと現在の聞こえが悪いだけでなく将来的に耳の骨の発育が悪くなり難聴を後遺症として残す可能性があります。

薬を飲んでも治らない場合、鼓膜を切開して中耳にたまった水を抜きます。鼓膜切開をしても鼓膜が閉鎖して中耳に再度水がたまってきてしまう場合や、数ヶ月間滲出性中耳炎が改善しない場合、鼓膜を切開した上で切開部がふさがらないように換気チューブを入れます。換気チューブを入れることで機能の下がっている耳管の代わりに中耳にたまった水を排出し、また空気を送ることで中耳に水が再びたまって難聴を起こすのを予防します。

手術は局所麻酔(麻酔を付けたガーゼを鼓膜に当てるか、麻酔液を耳の中に入れて麻酔をします)下に行いますが、小児などで処置が困難な場合は全身麻酔下に行います。

注意事項

鼓膜チューブは6ヶ月以上留置されていれば(目安は1年半)治療効果が高くなりますが鼓膜の自然閉鎖する力が強かったり、留置した鼓膜チューブに細菌感染が起こると(鼓膜チューブは体にとって異物であるため細菌の感染が起こりやすいです)早期に換気チューブが自然脱落してしまうことがあります。その場合に再発するようであれば再度鼓膜チューブを挿入する必要があります。

家庭では、お風呂で洗髪する際はできるだけ耳の中に水が入らないようにして、耳掃除は綿棒であまり奥まで入れないようにしてください。

治療の有効性・成功率

鼓膜換気チューブを鼓膜に留置することで中耳にたまっている液体が無くなり、鼓膜チューブが入っている間に聴力は改善し3~6ヶ月鼓膜チューブが留置された場合、滲出性中耳炎の治癒率は75%とされています。

治療に伴う危険性

1.術後出血

鼓膜切開部からの少量の出血がありますがほとんどの場合自然止血します。

 

2.痛み

鼓膜切開部の痛みがありますが多くは1日ほどで消失します。鎮痛剤が必要となることはまれです。

 

3.創部感染

手術した部分に細菌などが感染して治癒が遅れたり留置した鼓膜チューブがすぐ脱落してしまうことがあります(これを未然に防ぐため抗生物質を予防的投与します)。

 

4.留置した鼓膜チューブの自然脱落

切開した鼓膜が再生する過程でチューブを押し出し自然脱落してきます。自然脱落までの期間は個人差が大きいですが術後1週間程度で脱落してしまうこともあります。この時、症状が改善していなければ再度鼓膜換気チューブの留置が必要です。

 

5.鼓膜穿孔残存の可能性

鼓膜チューブ抜去後に穿孔(穴)は自然閉鎖しますが3~4%の方は穿孔が残り場合によっては成長を待って鼓膜穿孔を閉鎖する手術が必要になります。

代替可能な治療法

滲出性中耳炎は子供に多く10歳前後からそれ以降にかけてほとんどは自然に治ってくる病気ですが、それまでの期間放置せず適切な治療が必要です。中耳貯留液が残存した状態が継続すると聞こえに大事な骨(側頭骨・乳突蜂巣:そくとうこつ・にゅうとつほうそう)の発育が悪くなり将来的に難聴が残る可能性があります。鼓膜チューブ挿入術以外の治療法としては中耳に水がたまるたびに鼓膜切開を繰り返し行う方法がありますが鼓膜換気チューブを留置する場合に比べて再発率が高いとされています。(鼓膜切開のみの場合の再発率75%と言われています。)

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